トップ > 活動報告 > 行政視察 > 議会運営委員会の視察 > ■議会運営委員会の行政視察(令和元年7月16〜17日)報告 委員:遠藤久仁雄

■議会運営委員会の行政視察(令和元年7月16〜17日)報告 委員:遠藤久仁雄

■滋賀県長浜市/愛知県岩倉市の議会改革の取り組みについて
長浜市視察

長浜市視察

岩倉市視察

岩倉市視察

視察先1:滋賀県長浜市
視察テーマ:議会改革の取り組みについて


1 議会改革の取り組み

(1)立候補制に基づく正副議長選挙の実施について
平成25年9月に長浜市議会基本条例が制定された。この中で、第6条において「議長及び副議長は、公平無私の立場で議会を代表するとともに、この条例の趣旨を十分理解し、積極的に施行することに努めなければならない。」「議会は、議長及び副議長の選出に際し、市民にその経過が明らかになるようにする。」と記されている。平成30年8月以降、立候補制に基づく正副議長選挙を実施し(インターネット中継あり)、市民と議会の距離を縮め、理解しやすく、透明性のある議会運営を目指している。

(2)議会基本条例の検証について
見直し手続として、議会基本条例の第26条に「議会は、別に期間を定め、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検証し、その結果を市民に積極的に公表するものとする。」「議会は、前項の検証の結果、議会関係条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講じるものとする。」と記されている。これに基づき、各議員が検証チェックシートにより、29項目の自己検証を行うことから始め、次に外部有識者(龍谷大学教授)の助言をもらい、検証結果を3種に分類した。その結果として、正副議長選挙の透明化や議員定数及び議員報酬の検討等5項目が要検討に、市民の皆様との意見交換会の実施等3項目が改善・拡充に、議会だよりの発行等21項目が継続事項に決定した。

(3)平成28年に議員報酬が増額されたその理由、経過、手法等
議員報酬検討については、先の検証の種分けで、5項目の要検討の中の一つとなった。しかし、長浜市では、市長・副市長・教育長・議員の報酬に係る期末手当の額を、これまで様々な事情で改正されないままであったため、まずこれを他市並みの水準に引き上げ、さらに議員に立候補したいと思える報酬額を考え、わずか3%の引き上げ(月額356,000円→370,000円)であるが増額された。

2 本市に取り入れたい事項
藤枝市議会基本条例では、見直し事項として第23条に「市議会は、市民の意見、社会情勢の変化等を踏まえ、必要に応じてこの条例の見直しを行います。」とだけ記されている。そして、平成26年4月の条例制定以降一度も見直しがされていない。一方、長浜市の議会基本条例では見直し手続が第26条で「議会は、別に期間を定め、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検証し、その結果を市民に積極的に公表するものとする。」「議会は、前項の検証の結果、議会関係条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講じるものとする。」と記されている。長浜市の方が、議会改革についてはるかに積極的で、前向きな姿勢を感じました。


視察先2:愛知県岩倉市
視察テーマ:議会改革の取り組みについて

1 議会改革の取り組みについて

(1)議会基本条例の検証及び見直しについて
検証及び見直し事項として、第27条に「議会は、この条例の目的が達成されているか否かを、特別委員会において年1回以上検証するものとする。」とあり、これは本条例の目的が達成されているかの検証を、年1回以上行うことを義務付け、必要に応じ改正等を行うことを定めているものである。
これに基づき、岩倉市議会では、毎年度の議会基本条例の検証のほか、以下のような事項について、改正や追加等を行っている。
・議員報酬の追加。
・政務活動費について、一部改正。
・代表質問の方式を、総括方式から一問一答に改正。
・議会への資料の提出について、一部改正。
・岩倉市議会サポーターの設置。
・委員会代表質問について、一部改正。
・議会事務局の機能強化について、一部改正。
その他、市議会だより編集方針の改正を幾度となく行ったり、傍聴規則の改正等に伴う委員会条例の一部改正も常時行われている。
そんな中で、一番目を引いたのは、議会報告会・意見交換会の持ち方である。議会報告会については、年3回程度の開催であるが、意見交換会については、2年前から相当の力の入れようである。平成25年度は2回の開催、26年度も2回の開催、27年度が3回、28年度が4回と増えて、何と平成29年度は9回の開催、平成30年度は12回の開催である。議会側に、市民の思いをくみ取るという姿勢が強く感じられる。各会場では、話し合いのテーマを用意する場合もあるが、町内の課題など市政についての気軽な懇談会となっている。また、人集めについては、一切動員はかけてないとのことであった。

2 本市に取り入れたい事項
岩倉市議会の取り組みについて感心したのは、藤枝市のタウンミーティングに当たる、議会報告会と意見交換会です。特に意見交換会は市民が気軽に話し合いができる雰囲気作りに心がけています。自治会や町内会に動員をかけている本市と違い、一切の動員をかけない中での12回の開催は見事です。これはもうすぐにでも本市に取り入れたいところです。そして岩倉市は平成30年から、市議会サポーター制度を導入しました。18歳以上の年代別に無作為に抽出された市民と公募による市民で構成されます。この取り組みは議会運営等に関し、市民からの要望、提言や意見などを聞く方法として適していると思いました。最後に、全議員15名中、何と13名の議員が私たち藤枝市の視察に対応してくださり、熱心な意見交換の場となりました。岩倉市議会の
議会改革への取り組みの姿勢に熱いものを感じました。