視察先1:東京都世田谷区「もみじの家」
視察テーマ:医療的ケアを必要とする子どもとその家族への支援について
➀取り組みの経緯
医療的ケアが必要な子どもが増え続け、今全国に1万8000人以上いると言われ、自宅で24時間365日続くケアは家族の重い負担となり地域の中で孤立してしまう状況を踏まえ、もみじの家では医療的ケアが必要な子どもと家族が数日間滞在できる短期入所施設として2016年国立成育医療研究センタ−として創設された。
もみじの家の初期投資は7億8千万円で、日本財団から3億5千万、全国からの寄付などが2割で、人材はボランティアを75名、一人月2回程度で、年2回募集を募っているが、スタッフの数によって入所を制限する場合もある。
恵まれているのは、敷地の隣に国立成育医療センタ−があり、体調が悪くなればすぐに診察を受けられるという利点があるのが特徴である。
➁今後の課題
施設運営にはかなりの資金と人材が必要となり、もみじの家だけではダメなので、業界団体にも要望している。
全国に拡大していく上で障害になっていることは、資金と人材(担い手)不足が大きな課題でもある。
➂本市に反映できる点
本市の市立病院は急性期病院を目指しているので、今現在の体制では病院と施設を併用した施設はできないが、当市の重度身障者施設「わかふじ」を拡大してひとりでも多くの方をケアできる施設にしていく事が現在時点で出来る最善な方法だと思う。
C感想
全国にこのような施設が1ヶ所でも多く開設されることが望ましいが、経費や人材を確保するのは大変困難な面もあり、そう簡単にはいかないと思うが、もみじの家は都心の中にありながら、国立とはいえ病院と同じ場所に施設が開設されている大変うらやましい施設であると言える。
視察先2:東京都東大和市
視察テーマ:日本一子育てしやすいまちつくりの取組み
➀ 取組の経緯・内容
全ての乳幼児を対象とした、乳幼児医療助成制度により保健診療の自己負担分を全額助成し、児童手当と同じ所得制限を設けていて、所得制限を越えた対象者にも、市の単独事業として医療費助成をしている。小学生、中学生については、義務教育就学児医療助成制度により、通院1回につき200円を上限として窓口負担して頂くが、200円を越えた保健診療の自己負担分を助成している。
いずれの医療費助成制度も医療機関等に医療証を提示することで受診できる制度としており、所得制限の廃止や18歳以下の児童の医療費無料化について要望があり、限られた財源を適切に配分していくため、適切な健康管理や時期を逸しない受診について保護者に周知啓発することで、重症化予防に努めている。
保育士確保への補助については、国のキャリヤアップ補助や、住宅への補助、保育補助雇上げ、ベビ−センサ−の購入やICT化等に対する補助を実施するとともに、市独自の処遇改善の上乗せや職員の駐車場料金への補助など、業務面の両面で支援している。
➁ 今後の課題
子ども子育て支援制度創設の背景には、少子化対策問題や子育て家族の孤立、保育所待機児童問題の子育て関連の課題があり、新制度は、これらの課題に対応するために子育てしやすい環境を整備していくことにある。保育施設待機児童解消には、子育てに悩む保護者への相談支援の充実や就労支援、学習支援、子どもの貧困等への経済的支援も課題である。
➂ 本市に反映できると思われる点
保育園を増設するにしても、新たに建物を建設するのではなく、既存の店舗などを改装したり、子どもが体調不良になっても、病児・病後児保育士さんが、保育所にタクシ−で迎えに来てくれる点は、子どもを預ける親にしてみれば安心感があり、当市でもやれないか検討していきたい。
Cその他(感想・意見)
東京近郊の都市であることもあり、子どもを預けて働きに出る親が多いこともあり、いろいろな取組みを考えており、当市でもいろいろな工夫をして安心して預けることができる保育園の運営を、考えていけると感じた。
視察先3:秋田県横手市
視察先テーマ:健康の駅よこての取り組みについて
➀ 取り組み経緯
健康をテ−マにした交流拠点をコンセプトに、子供から高齢者まですべての市民を対象に、市民が運動を切り口とした健康拠点・健康情報の交流の場を設け、市民の継続的な健康つくりを大・中・小の健康の駅でサポ−トしていく取組みである。具体的には働き世代の生活習慣予防や介護予防に有効な健康維持プログラムを実施している点が特筆される。全国にはこのような健康の駅の取組みをしている都市は19駅あり横手市は平成25年健康寿命をのばそうアワ−ドで優良賞を受賞した。
「健康の駅」とは、地域で健全な健康維持増進活動をリ−ドする施設としてNPO法人地域交流センタ−健康の駅推進機構によって認証された施設である。
➁今後の課題
今後は認知症が高齢者人口の15%(7人にひとり)という事を踏まえ認知症にならない為の専門病院との連携や物忘れ相談会の実施なども必要。又、中規模・小規模駅の参加者が高齢化しており、新規参加者やリ−ダ−の育成も課題になる。介護予防や国保デ−タ−ベ−スによる費用対効果の検証もしていく必要がある。
➂本市に反映ができる点
本市にもサンライフのような運動機器を備えた施設もあるので、もっと充実を計り、トレ−ニングセンタ−としてトガやエアロビックスなど市民が利用したくなるような施設にしていく事も大事だと思う。
老人会やサロンへ出向き、らくらく体操など高齢者に対する健康寿命を延ばす施策としては参考になる。
Cその他、感想
本市は健康マイレ−ジとして歩くことをコンセプトに事業展開しているが、グランドゴルフなどできない高齢者の健康予防として、地域に出向き、らくらく体操などを行う事も健康寿命を延ばす意味で重要だと感じた。