■視察先:武蔵野市/宇都宮市(2018.7.25〜26)報告者:遠藤久仁雄
視察先:東京都武蔵野市
視察テーマ:武蔵野クリーンセンターの機能について
1 取組の経緯・内容
武蔵野クリーンセンターが現在地に建設されたのは、昭和59(1984)年のことである。当市では、それまで隣接する市にあったゴミ処理場を共同で使用していたが、異臭や交通量等の問題から自治体間のゴミ問題へと発展し、新たなクリーンセンターを市内に建設する必要が生じた。そして時間をかけ候補地等を選定する中で、特に住民理解に努め、あえて市役所に近い場所に決定した。その後33年間の稼働を経て再び新施設の建設が必要となり、平成29(2017)年に新クリーンセンターとして隣接地での再稼働を開始した。全連続焼却式ストーカ炉で、一日の処理能力60トンの焼却炉が2基、計120トンの処理能力である。市役所に隣接し、中心地にあるだけに、環境に配慮した安心・安全な施設として、また景観にも配慮され、古き武蔵野の面影を残す雑木林をイメージしたテラコッタ仕上げの外観となっている。誠におしゃれな外観で、違和感なく周囲に溶け込んでいる。
2 今後の課題
武蔵野市は、人口減もあって近年ゴミの総量が減ってきている。さらに市民のゴミ問題や環境に対する意識も他自治体と比べ大変高く、この規模のクリーンセンターがあれば、特に今後大きな問題は生じないと思われる。
新クリーンセンターの特徴の一つに、開かれた施設づくりがある。ごみ処理の流れをいつでも自由に見学できるように、2階フロアーを回遊し広いガラス面から覗き込み、ゴミ処理の手順が分かるようになっている。また定期的に環境に関するイベントやワークショップなどを開催して、見学者の増加に努めている。担当者の話では、見学者は月に約千人とのことで、私が予想したよりも少なかった。こんなに素晴らしい施設ができたばかりだし、狭い都市であり、交通の便も良いので、もっと大勢の市民が勉強のために訪れてもよいのではないかと思いました。小中学校の児童生徒に見学させたいと思いました。
3 本市に反映できると思われる点
武蔵野市の施設では、焼却炉で発生した熱を利用して、施設内の他に緑町コミュニティセンターへも電気を、そして市役所と総合体育館には電気と蒸気を供給している。さらに災害時には、電気と蒸気を発生させ、災害対策本部となる市役所などに電気と蒸気を供給するとともに、焼却炉を再稼働させ、ゴミ処理を継続させる。本市の場合は、新クリーンセンター建設地が市役所とはだいぶ離れた場所ではあるが、焼却により発生した熱をエネルギーとして有効活用されたい。
4 その他(感想、意見)
武蔵野市の新クリーンセンターは、3階建でデザイン性に優れ、周囲の環境に溶け込んでいた。本市の都市計画審議会の説明では、新施設の煙突は59m、建物は最高の場合で38mとのことであった。仮宿地区の周囲の環境に配慮されたい。
視察先:栃木県宇都宮市
査察テーマ:地域ブランドについて
1 取組の経緯・内容
平成28年度からの各種ブランド戦略事業は、まず宇都宮市民に対しては誇りを持ち自発的な行動をとってもらえるように、また市外に対しては、主に首都圏の若者に対し来訪リピーターを増やし定住化を進めたり、さらに企業立地につなげたいという考えである。大まかに13ほどの事業が紹介されていたが、宇都宮市という地域性を考えると、いろいろあって正直どれを重点に選んだらよいかわからなくなってしまうほどである。日光という観光地を控え、陶芸で有名な益子へのルート地でもあり、大谷石の産地でもあり、東京からの交通の便もよいなど、放っておいても来訪客は多いと思われる。そんな大都市である宇都宮市がシティプロモーション等に取り組んでいる姿に感心させられた。事業後のアンケート調査を見ても、特にどの事業が成果を出し著しい伸びが見られるというものはないように思った。この中で強いてあげれば、やはりマスメディアなどを使った事業であろうか。NHK「おはよう日本」、日本テレビ「ズームイン!サタデー」、東京テレビ「昼めし旅」などによる当市のイメージアップと宣伝効果は、他のどれよりも強力だと感じた。
2 今後の課題
紹介いただいた事業の一つに、「ダブルプレイス体験ツアー」がありました。これは本市で行っている「デュアルライフ体験事業」と同じだと思います。宇都宮市は藤枝市の2倍の面積があり、自然にも恵まれ歴史もあります。東京から100キロメートルで、交通の便も良いので、週末に地方暮らしを体験し、フレッシュな気持ちで東京での生活を送ることが可能だと考えます。主に観光地の紹介などを行っているようですが、もっと都会とは違う田舎の生活を体験してもらった方が、この事業の趣旨に合うのではないかと思いました。
3 本市に反映できると思われる点
餃子で日本一を、浜松市と競い合っている宇都宮市です。さすが駅前を中心に、餃子屋の多いこと。必然的にいろいろと趣向を凝らしたお店があり、楽しくなります。浜松では繁華街へ行っても、あまり餃子屋を意識しません。ここはやっぱり宇都宮の勝ちです。もし藤枝に、そんな競い合うほどの同業の店が固まってできたらと考えますが、これはちょっと無理な話でしょうか。